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地域の暮らしから、ワタシらしい私をみつける!<現地実習編>

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これは【島根県×ソトコト】しまコトプロデュース企画の「Meets my life ご縁がつながる、ワタシらしい私をみつける講座」の密着レポート<現地実習編>です。
一回目 講座編はこちら>http://www.watashicreate.com/magazine/1535.html
東京で働く女性に向けて、これからの暮らし方、未来を考えてもらうという内容は、ワタシクリエイトを考えるのにピッタリ!ということで、参加させていただきました〜! 今回は9/16〜17に島根で開催された現地実習をお伝えします!

<一日目>台風接近の中、出発!

島根実習は、羽田空港に集合でした。
当日は九州で台風が猛威を奮っており、土日とも雨予報。最悪の場合、往路または復路の飛行機が飛ばない可能性もある中、“キャンセルゼロ”という驚異の出席率で出発しました。
肝がすわっている…そんな面子であることを確信した瞬間でした(笑)
ドキドキしながら飛行機に乗り込み、島根へ。
機体は多少揺れましたが、無事に萩・石見空港に到着することができました。雨は思ったほど大降りではなかったので、ホッとしながらみんなでバスに移動し、お昼ご飯を食べるために吉賀町へ向かいます。
この、吉賀町(よしかちょう)のこと、みなさんは知っていますか?
島根県の西端にあり、人口6434人。水質日本一に選ばれるほどの清流である高津川を擁し、清流の恵みを生かした有機農業に力をいれている町です。そして暮らしの知恵の継承と自給的暮らしに取組み、本当の豊かさを目指していている魅力的なところなのです。

雨の中、秘密基地みたいな古民家で贅沢ランチ

大型バスでランチのお店に向かうも途中でお店を間違い、細い道で方向転換することに。ここで印象的な様子を見ました。バスが道を塞いでしまっているのに、待っている車やバイクの人達がニコニコしていたのです。最初から人の優しさが身に沁みます、島根。

そしてランチ場所である「草の庭」に到着。古民家で素敵な雰囲気、おしゃれだけど、おばあちゃんの家のような温かさを感じます。中に入るとテーブルの上には吉賀町柿木村の有機野菜をふんだんに使った料理と、塩と天然酵母のみを使ったパンのおいしいサンドイッチがたくさん並んでおり、みんな口々に「ランチからもうパーティみたいだね!」とワクワクしながら席につきました。食べてみると、パンの美味しさにびっくり!カリカリと堅いのですが、ほどよい甘さとやさしさがあって、どんどん食べることができてしまうんです…!柿木村の有機野菜のお料理も全てが美味しくて、一口ごとに感嘆の声があがっていました。
お野菜につけるリンゴ酢ときび砂糖の入ったお味噌もすごく優しい味で、レシピを聞き出す参加者も。店主の花崎さんのこだわりと心が行き届いたお料理でお腹いっぱいになりました。
このパンは、パンに対してあまり感動しない私も感動した逸品。もし機会があれば是非食べてみてもらいたいです!オンラインでも買えるようですよ。

<ランチのお店>
オーガニックカフェ 草の庭
古民家を改装したオーガニックカフェ。自家製の天然酵母パンに地元農家から分けてもらう旬の有機野菜をふんだんに使ったサンドイッチが人気。
http://www.kusanoniwa.net/

地域の宝の棚田でおにぎり

次は、石見一の美味しい米どころ、日本の棚田百選の大井谷の棚田見学へ。
バスでどんどん山の中に入っていくと、雨と霧と深い緑の美しい棚田の織りなす幽玄な景色が広がっていました。ここでは地元の三浦さんのお話をお聞きしつつ、新米のおにぎりをいただきました。いつもの年であれば未収穫の新米が、今年は早めに収穫ができたそうで、ベストなタイミングの新米のおにぎりを食べようとすると、香りがもう全然違う…!ランチでお腹いっぱいでも、ペロッと食べてしまう美味しさでした。
傾斜地が多く、苦労も多い困難な土地の棚田を、600年守り続けてきた住民のみなさん。「助(たすけ)はんどうの会」を結成し棚田を活かした地域づくりに取り組んだり、オーナー制度・トラスト制度を実施したり工夫しながら守っているというお話はとても興味深く、「守る・受け継いでいく」ことを考えさせられました。困難なこともある地域での暮らし…誰もが疲弊せず、持続可能にする方法はどんな形だろう?そんな問いがたったお話でした。

<伺った場所>
大井谷の棚田
日本の棚田100選の1つ。600年もの間引き継がれた、石積みの美しい棚田
http://www.all-iwami.com/modules/guide/index.php?action=SpotView&spot_id=144

移住女子のトークライブで語られる人間の本質

棚田を後にし、新潟からのIターン移住者八木諒平さんが運営するおしゃれな「音鳴文庫」へ。
ここでは、移住女子のみなさんのお話をメインに伺いました。 まずは、2016年の10月に移住し、お茶の先生もしながら「吉賀茶」生産プロジェクトに携わる上原美奈子さんのお話をお聞きしました。
「ここは“霧香る里”と呼ばれていまして、霧がすごく綺麗なところなんです。よいお茶ができる一番条件は、良い霧がたつところということ。あとは良い川・良い茶工場があることです」というお話があり、バスの中からみた清流高津川、山にたなびく霧などを思い出してとても納得しました。そして上原さんが移住してからの1年をスライドで紹介してくれたのですが、まさに自然とともに生きる一年。花の塩漬け・紅茶づくりにはじまり、堆肥づくりとお茶づくり、と畑が一年循環していく様子にリアルな生命の営みを感じました。
「喉が渇けば 水を飲み、心が乾けば お茶を喫む」という言葉と吉賀茶も身体にじんわり沁みて、もしかしたら心の深い部分が乾いていたのかもな〜と思いながら、おいしいお茶とお菓子をいただきました…。

次に、移住女子のお二人が登場。伊藤都さんと菊次弥生さんのお話です。
どちらも青年海外協力隊として海外で活躍した後、吉賀町に移住したそうです。様々な理由で移住を決めたお二人ですが、どちらも自然の豊かさ(でも冬は厳しい…)、水の綺麗さ、人の優しさや繋がりの強さなどの魅力をお話されていました。
このお二人の言葉の中で胸を打ち抜かれたものがあったので、いくつかご紹介します。

都さん>「日常、特別でないことを繰り返すってことが大事だと思っています。仕事をして畑もして…という生活をここに住む人は全員しているんですよ。誰からも褒められなくてもしているその姿が美しい、それを自然に当たり前にやることが美しいと思っています。ただ私は “美しくありたい”と思ってやっている時点で、意識しているからまだダメですけどね。」

→わたし、この言葉がすごく心に残っているのです。
都会にいると外側の誰かにどう見られているかという基準で自分の行動を決めたりしちゃうこともあるのですが、都さんは自分の美学があってそれに従っているんだなぁと、凛とした強さを感じました。
また、日本に昔からある「〜道」というような、所作や動きの型から内側を見つめる感覚と通ずるものを感じました。自分も含んだ“自然”に従って生きる美しさ。

「筍の根っこのような、綺麗と綺麗じゃないものの境目のようなものが私はすごく好きです。気持ち悪いようなものにも美しさがあって、これが生きてるなぁと思います。」

→これも聞いていて、こういう感覚って女性だなぁ!と感じました。もともと、同時に美徳も悪徳も、美しさも醜さも持つのが女性ですよね。だからこその魅力だし魔性だし受容力。そんな女性の本質を聞いた気がしました。

弥生さん>「20代はずっと日本の病院で助産師をやって、その後青年海外協力隊でネパールに2年勤務しました。ネパール人って赤ちゃんを動物的に産むんですよ。トイレに行くみたいにポンと産んだり、1人で四つん這いで産んだり…それを聞いて、私たちも動物だし、そんなに自然に産めるんだ〜ってことをヒシヒシと感じました。もう一つ衝撃的だったのは、ネパール人の妊婦さんが重い薪や水を持っていて、身体を休めるように注意したら『こんなことで流れる様な赤ちゃんは産まれてきても生きていけないから、それはそれでいいんだ。それでも出てきた子は元気だから』と言ったんですよね。そこに自然の摂理を感じたんです」

→このお話は聞いて衝撃を受けました!
生命を大切にするということは、手をかけて過保護にしすぎることだけじゃないのかも…という気づき。自分の中のリバランスが行われるようなお話でした!

都会の生活と地域の生活(世界も!)のリアルを聞いて、参加者の心にも色々な思いが浮かんだようでしたよ。

<トークイベントの場所>
音鳴文庫
おしゃれな本のセレクトショップ。島根の端っこ。「山の中にだってかっこいい本屋があってもいいじゃないか!!」ということでやっている、非常に素敵な場所
www.instagram.com/otonari_bunko
https://camp-fire.jp/projects/view/15596

地元の食材と人達がたくさんの交流会

濃い時間をすごし、気付くともう夜。
週末のみ営業されるカフェ「欅がるてん」に移動し、菜食料理家の東真耶子さんのつくる目にも身体にも美味しいベジタブル料理に舌鼓をうちました。高津川でとれたばかりの鮎も贅沢にその場で焼いてもらい、丸かじり!地域の方達もたくさん来てくださって交流しました。地元で活躍する方達が一堂に会する素敵な夜になりました。 そしてこの日のお宿は、木部谷温泉 松乃湯。裏山に吹き出る間歇泉が源泉の茶褐色のお湯が有名なお宿です。修学旅行のように女子同士でワイワイお湯につかったり、間歇泉を観にいったり、美味しい朝食に感動したり。とても満喫したディープな一日目でした


<交流会の場所>
欅がるてん
週末のみ営業されるカフェ。建築設計士であるオーナーの手によるインテリアはとってもお洒落。ジャズをBGMにゆったりと時間を過すことができる。
http://rinken-style.jp/keyaki.html

<2日目>津和野でしか飲めない、まめ茶

朝起きると、台風による本格的な大雨!すぐに帰りの飛行機の欠航が決まりました。なので、新幹線で帰る組は帰路につき、島根に残ってもう一泊する私たちは、津和野町に移動しました。
この津和野町、「山陰の小京都」といわれており、鎌倉時代から約700年続く城下町で2015年度、第1回目の「日本遺産」に認定された美しいところです。
ここで私たちを迎えてくれたのは、津和野町全体の教育魅力化コーディネーターをされている中村純二さん。津和野の教育をどんどん魅力的にしている方です。その純二さんの案内で、まめ茶が有名な「秀翠園」に伺いました。 まめ茶というのは、津和野でしか飲めないノンカフェインのお茶。カワラケツメイというまめ科の薬草から作っていること、津和野の方言で「まめになる」=「健康になる」つまり元気になるお茶という意味からきているのだそうです。
やかんで煮出した温かいお茶を飲んでみると、絶妙な香ばしさと甘さでとても美味しい! そして、代々種と高い技術を受け継いでつくっていること、絶滅危惧種のツマグロキチョウという、カワラケツメイを好む小さな蝶がいまだに生息しているということ、など自然と歴史と技術を受け継いでいる姿勢を丁寧にお話してくださいました。本当に若い世代が、地域も自分も大切にしながら活躍している地域だと感じました。

<伺った場所>
秀翠園
先人の知恵をもとに風土の恵みを生かす自然農法に徹底し、代々受け継がれる製法の茶作りにこだわっているお茶農園。
http://mamecha.jp/

厨ファミリアでお野菜ランチ

2日目のお昼は、「厨ファミリア」に移動して、お野菜ランチでした。
元々は、純二さんが元ユースホステルだった廃墟を高校生たちさんたちと一緒に修理をしてコミュニティスペースをつくったところ、大人が盛り上がり、現在はU・Iターン者や町民が週替わりで料理を提供したりイベントを開催したりと、人が集まる拠点になっている注目の場所です。
木の風合いがとてもお洒落なスペースで、気分もリラックス。全員でランチの準備を始めました。作ったお料理の野菜は全て朝採れのフレッシュなものばかり。参加者は、お花の箸置きをつくる班、採れたての卵をつかったドレッシングをつくる班、ブルーベリーを用意する班と3チームに別れお手伝いしました。こういうちょっとしたことが、心に余白と彩りを与えてくれるものですね♪
メニューは、國方あやさん・俵志保さん・山田達郎さんが作ってくれた、薬味たっぷりの冷や汁と新鮮なサラダ。 驚いたのはトマトの天ぷらと栗の素揚げ!野菜そのものがごちそうで、シンプルな料理法でも美味しいのです。この2日間野菜ばかり食べていたのですが、「どれだけたべても飽きず、いくらでも食べられる」という不思議な状態を体験しました。しかも野菜なので胃がもたれない!島根の食材のポテンシャル恐るべし…です!鮮烈な印象を残したランチでした。
ここでもみなさんのU・Iターンのお話をお聞きして、私は特にここでは「食と生活」について考えました。人生においての「食」の重要さを参加者も感じたのではないでしょうか。


<ランチをした場所>
厨ファミリア
厨ファミリアはみんなで「人がつながり生まれた創造を実際に踏み出す実験場」。学び合い、楽しく豊かに暮らせる毎日を考えながら、津和野のコミュニティキッチンとして、U・Iターン者や町民が週替わりで料理を提供したり、イベントを開催したり地域の人達が集まる場所として活用されている。
http://t-familia.jp/

醤(ひしお)づくりワークショップ

ランチでお腹いっぱいになった後、この実習最後のワークショップへ移動!
場所は厨ファミリアのメンバーでもある、國方あやさんが運営する「糧」です。先端医療を提供した明治25年設立の私立病院【旧畑迫病院】を復元した、レトロでおしゃれな建物。
最初に大江健太さんからコンセプトの説明を受けたのですが、食で身体を養生する事をテーマに、旧暦「二十四節気七十二候」に沿った暮らしや食の知恵・技の継承に取り組んでいるということに大共感。それを聞きながら、今回の実習で出会う方みんなに共通するものは「土地と、地面と、しっかり繋がっている」という雰囲気だと認識できました。
醤づくりを教えてくれたのは、地域に住む魔女と呼ばれるおばあちゃん!30年間、醤を作り続けて菌を守ってきてくれた、その菌を分けてもらいました。 大豆を煎り石臼で半割にし、魔女の菌と丸麦と混ぜ、醤油とみりんも混ぜ込んで密封。あとは発酵を待つのみです。お土産としてみんなで持って帰りました。 使用した石臼は、奇跡的にきれいに残っているものを譲り受けたもので、上石を回転させて下石との摩擦面で細かく挽くという単純な構造なのに、回し方の早さによって挽いたものの細かさが全く違いみんな四苦八苦。とても貴重な体験でした。「古き良きもの」に触れているはずなのに、むしろ最先端に触れている感覚すらしました!

<ワークショップをした場所>

津和野の中心から離れた堀庭園の近くの里山で医食同源をテーマとしたレストラン「糧」。
食の学び舎として料理教室や様々なイベント、カフェを運営している。
http://72recipes.jp/


2日間を振り返ると、地域のリアルな暮らしを体験しにきたと思っていたのに、それ以上のスケールと様々な角度の気付きがあった…という実習になったような気がします!

終わったあとの参加者たちは、新たな出逢いや気づきあった人、自分の大切なものをもう一度握りなおした人、今までのアイデンティティが揺らいで自分を見つめなおす人など、一人ひとりにとって良い時間になったようです。

「人間は昔からずっと自然からすべてを感じとってきた」ということを、体現してみせてくれた島根の人々の暮らし。しかも昔よりもクリエイティブでイノベーティブな形で。
これは、経験よりも先に頭で考えてしまう私たちに、経験から気付くことの重要性を教えてくれるような旅でした。今回の実習は参加者のこれからの行動を変えてしまうすごいきっかけになるような気がしました。 みなさんのこれからがとっても楽しみです!
まだまだ語り尽くせないのですが…、また次回!
shoko watanabe

shoko watanabe について

デザイナー&プランナー

短大で映像デザインを学んだ後、グラフィックデザイナーとして経験を積む。大阪から東京へ活動の場を移すことをきっかけに、人とのつながり・場づくり・学びへの興味を深めるため、2013年からシブヤ大学で授業コーディネーターとして活動。和文化・街づくり・ものづくりなどのテーマでの授業づくりを展開。また2015年から、株式会社エモーヴに所属。「ワタシクリエイト」に出逢い、人生観が大きく変わる。現在は自分の幸せから周りも幸せになればいいなと、日々ワクワク活動中♪